生プルーンとシャインマスカットでジャムをつくった

実家から果物が送られてきた。

リンゴ、ナシなど、父が祖父の畑で育てている。祖父は果樹農家(専業)。

父は営業職を経て独立。兼業。

祖父は死ぬまで職業「農業」を貫いた。

今思うと、父の仕事の「従業員」とすれば節税もできたのに、あえてそうしなかった父。

私には、公務員となることをひたすらすすめる父。

あまり畑仕事を手伝った記憶もなく大人になる。

そんな私も近所で畑を借りてみました。

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実家からの宅急便

秋になるとスーパーに売っているものとは比べものにならないくらい

大きな果物が届く。

これは千疋屋レベルじゃーん、と密かに思っている。

でもまんざらでもない。

いわゆる「秘境」的な標高の高いところでつくられているし、

ざっと考えてみても100年以上畑として積み上げてきている土地のものだ。

何より、祖父って人は、果物づくりの名人だったからだ。

しかし今は、亡くなっている。当然、周りの畑もそう。全盛期は、明治、大正、昭和のはじめごろだから。

なので、熊とか動物の襲撃も当然比べものにならないくらい多い。猿はやばい。猿の被害は幸いながらまだない。

鹿、猪、熊、ハクビシン、カラス・蜂に狙われている。

貴重な果物だ。

(父の熊除けの工夫も個人的にウケたので、また書きます)

 

うちは核家族。果物便が届くと、うれしいけれど。

正直、「げっ、もういらないよ。そんなにたくさん」と思うこともある。

「生がいちばんおいしい」ことを知っているし、余ると悩みの種だった。

結婚した若いころの台所はIHだった。

ステンレスの鍋でIHのヒーターでぐちゃぐちゃに煮た果物は、

はっきり言って「食材を殺してしまった・・・」と思うほどおいしくなかった。

朝どりで水が滴るような生の果物の味が好きなだけに、なおさらだ。

最近、「シロップでさっと煮て冷凍」という技も覚えた。これは良い。

そのために、バカでかい銅鍋も買ってみた。

果物便の中身

秋の果物便が父から届いた。

リンゴ、ナシの上に20個ほどのプルーン、そして

「あ、シャインマスカットだ、すごい」

お父さん、つくったんだ。

農家の人は、買わないで何でもつくってみる。

ちょっと酸っぱいし皮固いけど、ちゃんとシャインマスカットしている、すごい。

 

果物便から4日ほどたち、プルーンもシャインマスカットにも手が伸びなくなってきた。

とても食べきれない。

10個ほどのプルーンと半房のシャインマスカットで、ジャムをつくってみた。

 

うちにはジャムをつくりたいがために購入した、銅のジャム専用鍋がある。

5万円はしなかったが3万円以上したような記憶。

単価5万円の買い物なんて、まずしない。

鍋に5万円。でも必要だと思ったし、大きな銅鍋だし当然だろうとは思った。

自分の中ではあまり躊躇しなかったけれど、家族にも誰にも言っていません。

なぜそういうとこだけタガが外れてしまうのだろうか。

 

果物を銅鍋で煮ると、なぜかおいしい。

15年以上前だから、IHの性能も当今よりずっと悪かったと思うけど。

煮たとき、ぐずぐず水ばかり出てきて、どんどん食材の色が悪くなった。

銅鍋だと、そんなことなかった。

色が鮮やかに、むしろ明るく変わるようだった。

熱がすぐ伝わるのか、煮詰めたり、とろみをつけるのもやりやすかった。

鍋の上はとても高温になる。木べらが短いと手が熱い。今度、長い木べらを買おうと思った。

 

この大きな銅鍋をなぜ買ったのか。お鍋は昔から愛用していて、買った目的が、大量に届く果物をジャムにするためだった。

簡易コンロでしか使えない。台所がIHだから。

ガス火は、鍋を傾けたりできていいなあ。

大きな鍋だけど、鍋を傾ければ少量の果物にも使えた。

 

半割りにしたプルーンとブドウ。

砂糖をまぶして、潰しながら10分ほど煮てみた。

ザルで濾す。

少量なので、あっという間だった。

100ccほどのプルーンとシャインマスカットのフルーツソースが完成した。

果物の皮をむき始めてから30分くらい。

大量に皮や茎のごみが出たら、生ゴミ処理機に入れてしまう。

堆肥の山に入れることもある。

鍋を洗う。銅とか漆器は、すぐ洗えばスルッと綺麗になる。

高価で、今はどんどんテフロンとかプラスチックに変わってしまう鍋や食器。

鉄、ホーロー、漆器、銅鍋。

洗ったときの感触がすっきりして好きだ。

テフロンやプラは、一見汚れが落としやすいけど、いつまでもギトギトを感じることがある。

銅鍋は、ジャムがこびりついても少し水につけておけば、すぐ取れて好きだ。

ジャムをつくる。ガラスの入れ物に入れて冷蔵庫に入れておく。

道具を洗う。ごみを捨てる。

ここまで30分くらい。

 

プルーンは生のものは紫色をしているが、ジャムに煮ると赤になる。

イチゴジャムの色がより赤ワインに寄っていった色というか、そんな感じの色にできあがる。

プルーンのジャムは、結構好きなジャム。

市販のじゃなくて、家で作ったお砂糖控えめのプルーンジャムを、小さい甘くないパンケーキにたっぷり乗せて食べるのが好きだ。

シャインマスカットは、生だと甘くて美味しいけれど、煮ると味が変わる。

酸っぱくてびっくりする。

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