タマネギの追肥

「ことしのタマネギ、成功しそう」

と、父親に電話をした。

去年は畑でなぜか消えてしまったタマネギだったが、植えつけるときに深くしっかりと植えたのがよかったのか、消えずに苗が生きていた。

数えてみると、200本以上は残っていた。

去年との育て方の違いは、苗を入手してから早めに植えつけたこと、去年よりは若干深めに植えたこと、土壌をアルカリに傾けたこと。

土壌測定器を購入したこと。畑が思ったよりかなり強く酸性土壌だったことがわかったので、石灰を多めに撒いた。

酸度測定器は、あると便利。なくても、雑草の種類でなんとなく酸性っぽいとかはわかるのであった。

何度も買わないものなので、どうせ買うなら・・・と思い切って高いほうを買ったけれど、やっぱりこれ買ってよかった。

冬もことしは雪がとにかく降らなかった。早く春が来た。そんな気候の影響もあったかもしれない。

うちの父親は、もう既に1回目、追肥をしたとのことだった。

「タマネギは、マルチをしてあるのか?」「うん」

「お父さんは、マルチの穴一つ一つにひとつまみずつ、手で肥料を入れるんだ」

「へえ、パラパラ上から適当に、ではなく」

「そう。みんなパラパラまくから、そんなことをする人いないけど、大きいタマネギになるぞ」

肥料は、なんでもいいさ、と父。

農協で買った「やさいの何とか」という化成肥料。

農協に行って肥料を買うとき、なぜか一袋と言わず1体(いったい)というほうがすぐわかってもらえる。

大量に買ったものの物置きに仕舞い込んであった肥料を、これまた適当にバケツに半分ほど入れ、畑へ出勤した。

去年も一昨年も、『仕事が忙しいから』とか『雨が・・』『天気が・・』と、

なんだかんだ理由をつけているうちに4月になってしまった。

『4月か。もう追肥の時期じゃないから』と無肥料にしたら、小玉葱だった。

ことしはどうなるのだろうか。

久しぶりに畑へ出勤して、少し汗をかくと気持ちもスッキリする。

畑は、自分のためにやっているのだ。野良に出ると、あれもこれもやることが幾らでも出てくる。怠け心も出てくるが、そこを「えいっ」と動かないと、今までのタマネギの無肥料みたいなことになってしまう。

何をするにも生きていくのも人と関わるのも全部面倒くさい。

面倒くさいことばかりで、でも、そこに向き合わないと何事も始まらないし解決しない。

畑みたいに、草取りみたいに。

畑に行けば泥だらけになって、洗濯機も回さないといけない。体を動かしているうちにモヤモヤしていた気持ちもスッキリする。

それが習慣になって、フットワーク軽くいろいろなことに挑戦できるようなマメな生活を、ことしは心がけたいなあ。

畑にも、もっとたくさん足を運ぼう。

「いいことしたな、きょうは」と自分をめちゃ褒める。

いいことの後は、必ず悪いニュースもあるもの。

畑の端に植えておいた宿根草ゾーンが、夫の作業で根こそぎ耕運機でかき回されているのを発見。

三つ葉さんたちが、消えてしまった。

こういう悲劇を防ぐためにも、畑には毎日行かないといけない。

実家が農家だったけれど果樹専門で、しかもほとんど触れ合いのなかった祖父だったので、野菜のことは全くわからなくて全部本から。

教科書的な本は、「なかなかここまでは無理だけど・・・」結構参考になった。

絵がほっこりする家庭菜園の本は、こんなふうに家庭菜園をしたくなるのと、年間通してするべきことが整然としていて、読みやすくておすすめ。

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