エマールのほうが好き

何でもかんでも全自動洗濯機に放り込んで洗うとすぐ服がダメになる。最近、そんなことを思い、タオルと下着(トランクスのほう)と靴下は、全自動洗濯機で乾燥まで。そうじゃない服と、いわゆるランジェリー的なやつは手洗いにするように洗濯手法を変えた。

じゃあTシャツなら乾燥機オッケーかというとそうでもなくて、綿100%のものがくっしゃくしゃになる。だから大体の服が手洗いのほうにシフトされていく。おしゃれ着洗剤で手洗いして丁寧に形を整えて干すと、服がシャキ・ピカっとなる。カシミアのニットもウールのお洋服も、本当はドライマークがついていてもそんな感じで恐る恐る(服の表示的にいくとガンガンと)洗ってしまっている。

タオルは全自動洗濯機で洗うと、パイルが潰れきってカサカサになってしまう。これは二層式や縦型ドラムだとそこまでは潰れないような気がする。ドラム式全自動洗濯機で洗うとパイルが潰れるが、そのまま振り払って天日干しなどしようものなら大変なことが起きる。どんな高級タイプのタオルもガッサガサのタオルになる。むしろパイルの嵩の高い高級品ほどペッタンコになる。実はそれを防ぐ方法がある。

「パンパンと20回ほど振り回す(よくドラマで主婦の人がやっているやつ)」か「乾燥機をかける」。

そうするとフワッフワになる。もちろん後者に圧倒的に軍配が上がる。

大体の洗濯物には柔軟剤を投入する。これは、絶対にドポっとキャップの半分なんて入れてはいけない。入れすぎ。手洗いで洗面器で洗うとき、柔軟剤の容器の蓋を閉めたまま逆さまにする。そしてまた元に戻す。そうすると蓋に柔軟剤が白く付着している。お餅をつくときに加える手水。それに水を注ぎながら洗面器に溜める。それですすぐ。そんなちょっぴりなもん。気持ちで少しだけ入れるようにしている。

柔軟剤の香りに対して病的な反応を示す人が一定数いる。そういう人たちにとっては、入れすぎた柔軟剤の香りは公害レベル。今は「香害」なんていう言葉も最近あるのだそうだ。どのくらい入れたら香害になるのかは、はっきり言ってわからない。以前、私・過敏な人・柔軟剤使いすぎの人・という並び方で並んで座ったことがあった。なぜだか(過敏)真ん中の人が私にもたれ掛かってくる。どうしてだろうと思っていたら、後で香害だった、ということを知った。だから私の柔軟剤の使い方は、使いすぎではないんだろうということがわかった。入れすぎていても、自分では麻痺してわからないんだろうな、くさいかもしれないな、と思っていたから、違って良かった。

家族が洗濯を手伝ってくれると大変ありがたい。ありがたいけれども柔軟剤使いすぎ。だけど言うと二度と手伝ってくれないから私からは言わない。家事のダメ出しは絶対だめ。自分が親に言われて家事が嫌いになったから。正しいことを伝えることが良いとは限らない。知らないことが幸せなことがある、優しい嘘は、ある。

柔軟剤を入れるとタオルが水を吸わなくなるので、タオルの洗濯をするとき柔軟剤は入れたくない。そうすると、タオルはタオルのみで洗濯機を回したい。確かに柔軟剤はいらないけれども、5回に1回とか10回に1回くらい、柔軟剤入れてタオルを洗うと、水も吸うしいい香りもするタオルになる。その塩梅は、洗濯機にもよるし一概には言えないけど、私はそうして楽しんでいる。

エマールとアクロンはどっちがどう違うのと気になって、同時に買ってみた。使った結果、アクロンのほうが香りが強い。エマールのほうがシャッキリ感がある。シャッキリというかスッキリというか。アクロンのほうがふんわり感というか、しっとり感がある。あくまで個人的な感覚の話。裏を見ても成分は一緒。多分差はほとんどないと思われる。だけど、私はなんとなくエマールのほうが好きなので使っている。

そんな細かいことをしている私は、当然、洗濯物を溜めてしまう。私が洗うと洗濯物はすんごくスベスベできれいに仕上がるけど、専業でしていないので、ほかに仕事とか優先しなければいけないものがあるときは、溜めてしまう。すると家族がガーっと全部を一度に洗ってくれる。そしてTシャツはくっちゃくちゃになって、柔軟剤使いすぎの感じにくさい。

でも、それでまあいいじゃん、って感じ。子供の運動着とか「ヤバイ寝落ちして洗うの忘れちゃった」ってとき、朝乾いていてすっごくありがたい。

私はブラックな職場で何社か入職経験があり、やめたあと逮捕者が出たり、事件があったり(やっぱりブラックな環境だったよね)ということもあった。いわゆるホワイトな職場で働いたこともあった。ブラックな環境のときは、職場の仲間で行くカラオケが超楽しかった。仕事が一段落した後の達成感もすごかった。ホワイトは服務規程が超面倒で、殴りたくなるようなネチネチした同僚が多かった。お給料と環境の良さで乗り切れた。でも一番つらかった時期は、間違いなく働かないで家で家事育児だけをしていた時期だった。家事は家事ではなく一番困難な仕事だと思う。達成感を一緒に分かち合える仲間もいないし(本当の意味で家のことはその家のことに限定されるから)自分が最終責任を負うのだ。無償である。

外でお給料をいただきながら家事もすると楽しいけど、職場に家事が加わったことになり、ある意味ブラックな職場である。経営者の孤独に少し共感できるような気がする。

自分なりの家事の仕方にこだわっているのは、孤独に仕事をしているからかもしれない。家族には強要しないけど。

だから、私はエマールのほうが好きなのだ。何でもいいわけではないのだ。

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