大きな竹籠を、松本市のお店で購入した。
最初は赤ちゃんを入れるクーハン代わりに使っていたが・・・
白菜を干したり何でも使える丈夫な籠で、もう15年以上はノーメンテで使っている。
ちなみに根曲がり竹のカゴとはこういうの
何十年前、妊娠していたころ。
いろいろベビー用品をそろえるけど。
そんなとき、ワラで編んだ「つぐら」に子供を入れて、
畑仕事をしている昔の本か何かの写真を見た。
「すごくいい。欲しい」
今みたいにアマゾンとかiPhoneとかなかったけど、
ネットとかで調べまくった気がする。
初めての子育てで、私もすっごく若かった。
クーハンとか、「いかにもお母さん」って感じで、
何となく買いたくなかった(変わり者)。
どーせ、赤ちゃん大きくなったらいらなくなるんだろうし、
赤ちゃんでいる間の数カ月間だけにしか用途のないものを買うのが、
とても無駄に思えた(当時は。今はそんなふうに思わないかも)。
妊娠もしていたし、ホルモンの関係で、ちょっと変になっていたと思う。
赤ちゃんにも収納にも2通りで使えるような、籠ほしい。ほしいほしい。
長野県の松本市に、竹の籠を専門に売っているお店があることを知った。
ちょっと奥に入った通りの、細い路地にその店はあった。
もしかしたら、もしかしたら「つぐら」もあるんじゃないか。
淡い期待を胸に入った。
こういう路地にある専門店、ふらっと入るとか気がひけてしまうけど、
目的がはっきりしていると、入れる。
残念ながら、「つぐら」は売ってなかった。
私はそのとき大きなお腹をしていたので、
「あら~、いいわね~、もうすぐ生まれるの?」と、
お店の方がいろいろ話しかけてくれて、竹の籠の話もいろいろ伺った。
農家の人が農閑期の冬にわら細工をするが、
農業も時代が変わって、そういったものは消えていっているそうだ。
天井のほうの棚に、大きな籠が置いてあった。
戸隠の根曲がり竹という堅い竹で編んだ、その籠を見せてもらった。
これも、失われゆく古き良きもので、もうこれは店にあるだけらしい。
手造りだし、つくりても高齢化しているので、ある意味
「出会い」なんだそうだ。
大きな大きな竹の籠・・・これに座布団を入れて、
子供を入れてみたらどうだろう。イケるかも。
籠は同じ種類で入れ子になっていて、2つあった。
なので、ついつい2つお買い上げしてしまった。
1つ1万円くらいだったような気がする。
何か懐かしい感じの籠。
小学校のころ、校庭の掃除ばっかりしていた記憶がある。
多分、清掃委員会とかだったのかも。
こんな感じの竹籠に落葉を入れていたな。
その後、無事子供も生まれた。
生まれる前までは、身の回りのものをいろいろ籠に入れていた。
赤ちゃんがはいはいするまでの、期間限定だったが、
座布団を入れて、憧れていた「つぐら」的な使い方もしてみた。
子供が赤ちゃんじゃなくなってからは、洗濯物を入れたりした。
10年以上たって、何かの会合のときに、
たくさん荷物を入れて、車に乗せて会場まで運んだ。
そうしたら、
「あの籠すてきね、昔ながらの根曲がりのでしょう、一体誰の」
と気づいてくれた人がいた。
「貴重なんだよね」と。
わかる人は、すぐわかるんだなあ、すごいな、と思った。
竹も、
雪が降る標高の高いところの竹は、多分丈夫なんだろう。
うちの実家が山奥なんだけど、
採れるタケノコが何かスーパーで売ってるやつと違う。
すぐ固く変化するというか。
タケノコご飯にしてもあんまりおいしくなくて、嫌いだった。
後で知ったけど、「ハチク」という、山のタケノコだった。
鯖缶と煮て食べるのがデフォルトらしい。
戸隠の竹も、固いんだろうな、ということはよく理解できる。
手袋しても畑で手で草取りすると、すっごく手が痛くなるから、
竹で籠を編んだら、手なんか相当痛くなるんだろうな。
そりゃあ、つくる人も減っていくよね。
買った籠は、とても丈夫だった。
大きいわりにすごく軽い。激し目に使っているけど、全然ほつれたりしない。
白菜漬けをするとき、半日干してから塩で漬けるけど、
そんなときも使ってみてと教わった。
あまり見ないくらい特大サイズなので、白菜幾つも入りそう。
赤ちゃんだって入ったしね。
「買います」と言ったとき、反射的に頭の中で、
「大は小を兼ねるってことわざで言うし」って思って即決した。
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