縁もゆかりもないところで家庭をもって十数年。そして最近では近所にある畑で家庭菜園が趣味の私です。この畑は地主さんから借りました。どうやって今の畑を借りたのか。
結論から言ってしまうと、頑張って探したわけでもなく。
「なんとなく・・・気づいたらそうなっていました」
耕運機とビーバーを持っていれば、畑はタダ同然で借りられる。
近所の人に畑を貸してもらって、何とか何年も畑を借り続けている。
畑を持っていると、結構便利。雑草や生ゴミを埋めておけば分解して処理ができる。
そんな目的で畑は借りないし、作物を育てようと思ったらは大変そうだけど。
大変なのは、とにかく草取り。あとは道具がいろいろ増えていく。
農村地帯なので、自治体のイベントなどで農業体験がある。長年住んでいると、役員としてお手伝いにかり出されることがある。そんな感じで適当に畑作業には時々参加していた。
イベント的な畑では、ジャガイモや大根を育てていた。
「大豆を植えて、夏に枝豆を食べたり、秋に味噌づくりなどをしたいです。それはできますか?」
という質問というか要望が、参加者から挙がった。
畑の持ち主は言った。この畑の土では栄養分が豊富すぎて、大豆に適していないよ。
ご近所との雑談の中で、仲良しの農業女子(祖母くらいの年齢)にそんなことがあったと話した。
彼女は「私の畑の隅に、大豆植えてもいいよ」と言ってくれた。
でも次の日、「ごめんね」と。
おじいさんに相談したんだけど、トラブルの元になってもいけないと。
賛成はしてもらえなかったそうだ。
「そうだわ!あなた、自分で畑借りて植えてみたら」
と、予想外の展開に。
畑を貸してくれる方が近所に住んでいるらしい。
ちょっと話だけでもと早速、次の日訪ねることに。
彼女は、毎朝5時には畑で仕事をしている。とにかく朝、畑に来てねと。
まずは、朝5時半すぎに畑へ会いにいった。
そのあと一緒に、地主のおじさんを訪ねることとなった。え、今から。
朝6時前。ピンポンしまくっていると、おじさんが出てきた。
「あらおはようございます。この人なの、この間話した人は。いいよね」と
私を紹介する。
「うーん、まあとにかくやってみたら。でも俺の弟も使いたいみたいだから、またすぐ返してもらうかもしれない。それでもいいかい」
そんな感じで、交渉成立。そのまま畑を貸してもらうこととなった。
自宅の電話番号だけ交換して(まあ、家はお互い歩いてすぐの近所)、特に契約的な書面もなく。
農業女子の畑の近所に家がある私は、庭の草取りで苦労していた。バリカンを買ったり、芝刈り機を買ったりしていた。子どもも小さくて苦戦していた。そんな私のことを
「いい道具あるじゃん、畑やればいいのに」
と思っていたらしい。あと、何度かそう言われた。
確かに、家庭菜園にはちょっと憧れる。老後、市民農園を借りて野菜を育てるとか。
いいなあ。ちょっとだけ、思っていた。
市民農園は、市が借してくれる。抽選だけど。広報誌によく募集が出ている。
実家は農家という私。安易に畑は借りる気になれない。でも、これも縁かもしれない。こういうのがいわゆる「サードドア」なのかも。チャンスの神様の後頭部はハゲていて、前髪しかないらしい。
「ここでYESと言わなかったら、次にこんな機会は来ない」
と、思ってしまった。
「YES」で、 畑を借りることが決まった。
市民農園的な畑を想像していたんだけど、縦10メートル、横20メートルもあったよ。
『いい道具』持ってると言っても、みんな電動なんだよね。だから、畑では使えないんだよね。
というわけで、耕運機とビーバーを買った。
結局、畑を幾らで借りるとか、そんな話もなかった。
確か、最初に菓子折持参で行ったような気がする。
その後、盆暮れみたいなときに、また菓子折りを持っていく。
もともと、弟さんが使いたい畑らしいので「今年もまだ借りてていいんだ。じゃあお借りしますね」という感じ。
周りの農業女子にこの状況を相談したら、そんな感じでいいわよと言われた。
でも周りの畑には、月幾ら(年額?)でちゃんと契約している人もいる。
いいのだろうか。まあ、とりあえずいいか。
結構、畑を貸したい人って周りにいることを知った。身近にいた。
「うちの土地、だれかいい人がいたら貸したい。管理が大変だから」
という話は、結構聞いた。
隣の市に親から相続した土地があって、親の代は畑だった。草刈りをシルバー人材センターにお願いしている。または自分たちで年数回行う。
だれかに、家庭菜園みたいな感じにして使ってほしい、除草剤はできれば使わないで。
畑にしてきれいに維持してほしい。
それで、土手っていうのかな、畑の周囲の部分。
あそこの草も刈ってくれるのなら、なおグッドらしい。まあ自分でもそうだろうなあと思う。
そんな話を聞いていたので、今借りている畑の土手も、草刈りは頑張るかな。
実家が山奥の田舎なので、両親が地域の草刈りや雪かきを一生懸命行う背中を見て育った。
だからかも。
仕事もしているし子どものこともある。うっかり、両方の実家から遠いところに定住してしまった。
畑以外にもやることがいっぱいあるのだ。
畑の作物のことより「雑草どうしよう」で頭がいっぱい。夏は、草だらけにしてしまうこともある。
こんな経緯で畑を借りたのだった。
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