10月のいつもこのくらいの時期というのは、何もかもがキャパオーバーに陥りがち。いつも見て見ぬ振りをしてごまかしてきたけど、そんなことない、いけるって思ってきたけど、そして何とか乗り切ってきたけど、10月の週末はイベント続き。
運動会、音楽会、秋祭り、収穫祭。若いときはただ参加していればよかったあれこれも、長老になるとだんだん企画側に足を突っ込むようになってくるね。
そして、先月ようよう草刈りを物置から引っ張り出して、草刈りをした。
畑はとってもきれいになった。
「いやあこれから毎週草刈りすれば楽だよねそうしよう」「毎週マメに行えば小一時間で終わるわ」「うん楽勝」ってそう思っていた。
なのになのに。気がつけばもう10月じゃん。せっかくオフ日が入っていた3連休だったのに、1000年に1度というような台風来てしまった。
見回りに行ったら畑、くさぼうぼうだ。
9月、やけに晴天率が高くて「ことしは台風来ないのなあ」と思っていたところだった。
去年の今ごろは、畑の堆肥を買ったり、もっと早めに種をまこうと反省したりしていた。でも多分堆肥を買ったりするのは10月では遅い。そして種をまくことを真剣に考え始めて、始動しないといけないのは、実は8月だ。8月は真夏で、キュウリ、ナス、トマトが毎日とれる。プールや海や花火のことを考えて、ワクワクしているバケーションのときに、全身完全体になって耕運機で耕して肥料をすきこんで地面に這いつくばって種まきしたいと思えなかった。
お百姓さんは暑い中、始動しているんだな、暑いのが嫌だもん、早朝から始動して働くんだな・・・。と腹に落ちた。実りの秋に豊かな収穫を得たいんだったら、お盆休みのころ、せっせと種まきをするんだ。そうするのが正解だった。
いや・・・まだ間に合う、ガンバレ!!!と、9月の終わりを迎えるときだった。私は着替えて畑へ走った。もう遅いかもっ。わー日が沈むっ。と、アセアセしながら大根の種をまいた。仕事の納期やらいっぱいいっぱいで、9月の終わりのしかも夕方日が沈むような時間帯。夜6時半、夏だったら明るいけど秋だと真っ暗だあ。
なぜ、そんな時間に畑に行ったのか。本を読んだり自分で調べたり感じたりした結果、
「種は、午後まくのがベターだろう」
と思い立ったからだ。そうしてみた。日が沈むギリギリセーフの時間に、何とも情けないけどそんなやっつけ仕事で何とか種まきした大根さんだった。
10月の半ばになった。台風のあと畑を見に行ったら、すくすくと育っている。畑についての本を5冊くらい買って読んだ。その買った本には書いていなかったことを、図書館の奥の部屋の辞書とか昔の文学作品などが並んでいる場所で見つけた。昔の庄屋さんが小作人のために書いた『農業心得』的な本だった。
「種は午後まくべし」はこの本に書いてあった。
そのとおりにしてみたら、結構ちゃんと育っているから、昔の人が言ったことって侮れないのな。
もうこれから季節は冬になって雪がふって・・・みたいになってしまうから、未来の自分に向けて言いたいことがある。
やっぱりひたすら種まきしまくることだね、いろいろ考えていないで。
この間、親ほど年の離れた畑の友達(っていうかメンターというか先生)とした会話。
友「この間買ったって言ってた種、あれどうした?まいていないの。もったいないからまきなさい。何年かたっても意外と大丈夫だから」
よ「わかった。がんばってみる」
と、ミスミのじいさんのような2人だった。
今思えば、畑の友達も私と同じような経験をしたんだろうか。
数年前の種が芽を出すんだかどうなんだか確かめてみるのはおもしろそうだ。うん、がんばってみる。時間をつくって種をひたすらまきまくろうと思います。
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